Flock of Goats 2

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168 - 絶望の穴

ショッピングモールで娘が迷子になった。見つかるまで10分くらいだったろうか。

 

いつもはほっといても勝手にどっかいったりする子じゃないんだけど、疲れてきたりすると集中力がとぎれるのか、気になるものが目に入ると構わずそこへ行ってしまう事がある。
今回も完全に油断していて、「電器屋さんへいこう」と話して3Fへ嫁、娘2、俺、娘1という順番でエスカレータを上がり、降りた所で20歩くらい歩いて電器屋に入りふと後ろをみると娘1がいなくなっていた。最後に認識したのはエスカレータを降りた所。
嫁にインフォメーションで迷子の放送を依頼。その間付近を探す。

この時に気づいたけど、7歳だと完全に行動が読めない。一度はぐれたときの対処法を教えた事があったけど、たぶん1年くらいまえだな、と思い出した。


あのこと覚えてるかな、とか理解してたのかな、とか、駐車場に行ってないといいけど、とかエスカレータは降りるだろうか、まさかエレベータは使わないよな、とか考えているうちに時間も過ぎ、ここに娘がいないという現実を突き詰められるとともに最悪の事態の事も色々と頭をよぎり始める。

 

自分の足元にぽっかりと深い暗い穴が空きはじめ、徐々に大きくなる。
その穴にゆっくりと吸い込まれはじめて、もがいて必死に走っていているけど、ほとんど前に進まない。
その感覚に襲われ始めた頃、嫁から電話。

 

「3階の1番奥の店で預かってるって」

 

娘は泣いてなかった。
ミニオンの看板を見てたらみんな居なくなってたから、歩いて探しにいった。電器屋を探して歩いたけど見つからないから、店の前に出てた店員さんにパパとママがいない、と伝えた。
預かってもらってた店ははぐれたところから一番離れた奥の所で、ずいぶん歩いたな、と思った。

 

「ほんとうは泣きたかったんだけど」

 

と娘。本当にすまんかった。